ひとつの事を継続できない本当の理由(その2)

2020/4/09(木)

こんばんは。

本日は、先日のブログの続きとなる継続力を身につける具体的な方法について書いていきたいと思います。

ここでは前提として、お金や時間といったリソースを一気に注ぎ込まない地道な方法で話を進めています。

「そんな悠長なことは言っていられない。」「お金をつぎ込んで短時間で一気に行くんだ。」そういう方には参考になりませんのでご注意ください。

継続は“ゲーム”から学べ

皆さんは継続力とは、「情熱が持てるものだからこそ続けられる」と考えられたことはないでしょうか?やりたい事=自然と情熱が出るものであって、それを見つけられるか否かが継続させる肝だと考えられがちですが、それは違います。

先日のブログで、「継続力とは、現在の自分のレベルに合った目標を立てられる力 あること、厳しいトレーニングや長時間の仕事は、それが楽しいからやっているだけだと書きましたが、簡単に言うと「自分が前に進んでいる感覚」を持っているという事です。これに見事に答えてくれているのが「ゲーム」です。

ゲームはいつまでも遊べますし、楽しいです。なぜなら、最終目標(全クリア)に向かって進んでいる感覚がはっきり分かるからです。この感覚は、やめられなくなります。一つクリアするとより高いレベルに進みたくなり、より高く、より高く、どんどん欲が出て止まらなくなります。

パチンコやスロットなどのギャンブル、株などの投資、儲け話など、自分にとって好転的な状況になった時、そこで「ここが止め時だ」とスパッと終わらせれる人がどれだけいるでしょうか?大抵の方が「もっといけるんじゃないか?」と欲が出て、その欲は天井知らずにドンドン高くなって行きます。

この欲が、継続力の正体です。

逆に、これ以上のレベルに達しない、ラスボスを倒した、全ステージクリアした、こうなるとそのゲームを続ける欲は湧きません。

これ以上前に進む道も方向も無いからです。

継続力とは、この「前に進みたい欲」をうまく引き出す力のことです。

欲をうまく引き出す力とは、=現在の自分のレベルに合った目標を立てられる力=継続力 と繋がっていくのです。

ここで注意したいのが、ゲームには、誰でも熱中して継続することができる最大の特徴が備わっている、ということです。

それは、ちょうど良いレベルの目標(敵やステージ)が、勝手に向こうからやって来てくれる、という点です。この特徴はこの上なくラクであり、だからこそ誰でも熱中することができるのです。目の前のちょうど良い目標(敵やステージ)をただクリアすれば良いので、誰でも時間差はあれど簡単に熱中できるわけです。

しかし実際の仕事や勉強、スポーツなどは、このちょうど良いレベルの目標が向こうから勝手にやって来てくれる事はありません。自分で考えて設定しなくてはならないのです。そしてこれが意外と難しく、誤って最初からラスボス級の目標に挑んでしまい、前に進めず諦める、というよくある状態を毎回繰り返すのです。

そしてラスボスに勝てなかった自分を、「自分は気合いと根性が足りない」と自己嫌悪してしまいます。そんな人には、「それクソゲーだからやらない方がいいよ」と、アドバイスすると思いませんか。

これが、継続が難しい理由です。

 

継続力は“ゲーム”に学べ!具体的な目標設定のやり方

ではゲームを実生活に応用していきましょう。

ホリエモンこと堀江貴文さんが「小さな成功体験を積み重ねる」と非常に分かりやすく表現されています。

この「小さな成功体験を積み重ねる」ポイントは、

  • 現在の自分のレベルを認識し
  • 自分だけがコントロールできる要素だけに焦点を当て
  • 願望ではなく出来る予測の範囲内で

以上の3点です。

 

現在の自分のレベルを認識する

現在の自分のレベルに合った目標 を立てる為に、現在の自分のレベルが分からない事には始まりません。

レベルとは「限界」とも言えますので、継続とは、自分の現在の限界を確かめ、その限界を上げていく作業の繰り返しになります。

自分には限界がない、などと勘違いしていきなりラスボスから戦ってその道を諦めるクソゲー状態にならないよう、ここはしっかりと自分のレベル=限界を認識しましょう。

答えは簡単、できる事からやってみる、です。例えばかっこいいカラダになりたいから筋トレをしよう、と考えた場合、とにかく腕立て伏せでも腹筋でもいいのでやってみます。やってみれば、いまの自分は大体どれくらい出来るのかが分かります。

腕立て伏せが30回出来たのなら、それを何セット出来そうかチャレンジします。

一般的な筋トレは3セットなので、MAXで30回なのなら20回×3セットならいけるだろう、とやってみて楽勝だったら25回×3かな?

こんな感じで自分を客観視して行きます。

しかしこれがビジネスになると急に見誤りやすくなります。例えば起業・副業を始める時、いきなり今の月給を稼ごうとします。もしかしたらいきなり月給分のお金を稼げるかも知れませんが、その場合は自分の限界が思っていたよりも高かった、それだけの事ですので問題ありません。しかしいきなり高い期待値で仮にできなかった場合は、えらく自分は力がないやつだと感じてしまい、1回で諦めてしまう事がよくあります。まさにクソゲー状態です。その目標や期待値が、ただ現在の自分にとって高すぎただけなのにです。

これは個人的な意見ですが、会社員をやっている方ですと、給料に見合うだけの目標・課題をクリアしていない頃から初任教を貰えることが毎月続くので、同じ感覚で始めてしまうのではないか、と考えています。おそらく、仕事で成果を上げている人ほど、現実的な、例えば月1,000円稼ぐ副業から始めよう、みたいに考えると思います。

なので最初は、「今は1円でも貰えたら御の字だ」ぐらいのつもりで「タダで喜んでもらえるものは何か」、もっと言うと、「自分だけを喜ばせるものは何か」くらいから考えれば良いのです。そうすれば、その次のステージに進むことができます。

もしもラーメン屋になりたいのなら、「まずはラーメンを作ってみる」。これはうまいと思ったら、今度は友達に振る舞ってみる。もしかしたら「500円くらい払って食べに来る価値あるな」と言ってもらえるかも知れません。または「お金払って食べに来ようとは思わない」と言ってくれるかも知れません。

目的は現在の自分の限界を確かめることですから、ネガティブな事を言われたことは問題ではありません。むしろ「限界を知れた」という成功体験です。

 

自分だけでコントロールできる要素だけに焦点を当てる

〜「目標を細分化する」事ではない〜

意外とこれが出来ている人は少ないです。そしてこれは「目標を細分化する」という事ではありません。これはよく間違われることなので注意してください。

確かに細分化された目標は達成される可能性が高くなりますが、自分ではコントロール出来ないものが含まれている目標では、自分のレベルにあっているのかいないのか、判断が難しくなってしまいます。

元メジャーリーガーで、現在は千葉ロッテマリーンズ1軍投手コーチを務める吉井理人さんは著書の中でこのようにおっしゃっています。

「運や天候、あるいは個人では対処できないような外部要因など、予測不可能な条件が入ってくる課題を設定してはいけない。クリアできるかできないかが、その人の現在のレベルとはまったく別の問題になってしまうからだ。」

吉井理人 『最高のコーチは、教えない。』 2018 ディスカバー・トゥウェンティワン p,72-p,74

 

継続するという事は、目標(吉井さんの表現では課題)をクリアしたり、しなかったり、別の目標(課題)を設定し直したり、少し高い目標(課題)にチャレンジしたり、の繰り返しなのです。ゲームとは違い、それをそこに、その人とはまったく別の問題が関わってきてしまっては、次の正しい目標(課題)設定をするための振り返りのしようがないのです。

元ジャイアンツで、元ヤンキースの松井秀喜さんも、「自分が影響を及ぼせる範囲にだけ集中する。それ以外は意識しない」とおっしゃっていました。

 

願望ではなく出来る予測の範囲内で

成功した、と自覚できることが継続の鍵なので、とにかく絶対達成できるレベルの範囲内で、明確に成功したと分かるものが望ましいです。つまり自分が「できるだろうなぁ」という予測の範囲内でOKなのです。

予測の範囲内とは、「ここからここくらいまでは出来るな」という幅のある状態のことです。

現状の自分のレベルを認識していれば、例えば腕立て伏せは30回はいけるな、と分かれば、1日何セット出来そうか、それを週に何日ならできそうか、予測でいいので設定します。

そして、大体週に2、3回なら、と範囲があるとクリアし易いです。2回でもクリアですし、4回やったら「あれ、自分、すごくね?」と達成感が増します。

この感覚は、日々の充実にも繋がりますから、ぜひやってみてください。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

まとめると以下のようになります。

 

⭐︎僕たちが物事を継続できるのは、情熱をもてるものを見つけたからでは無い。

⭐︎天井知らずの欲をうまく利用する

⭐︎その為には、自分のレベルに合った目標を設定する事から始める

⭐︎その方法は、

  • 現在の自分のレベルを認識し
  • 自分だけがコントロールできる要素だけに焦点を当て
  • 願望ではなく出来る予測の範囲内で

以上で目標を立てていく。

 

こんな感じです。

これができるようになると、かなりの確率で目標は達成されます。小さな成功体験になるわけです。すると次はもう少し高い目標にチャレンジしたくなります。欲が出てくるんですね。その欲は徐々に大きく、高くなって行きます。それをクリアしたり、調整したりを繰り返ていく事で、自分がクリアできる予測の範囲が拡がっていくのです。つまり、自分は前に進めているんだという実感(=成長)を得る事が出来ます。

更に欲が出てきます。

この好循環に入ればこっちのものです。

現在の自分のレベルに合った目標 をクリアして、最終目標(全クリア)に向かって前に進んでいる感覚は、充実感がハンパないです。

最初は「これ意味ある?」っていうくらい本当に簡単なもので結構です。

ぜひ試してみてください。